色の三属性と呼ばれる、明度/彩度/色相の明度に対する理解を深めることが目的の課題でした。この講評室にも、各作品を白黒に変換した写真を掲載しています。もっとも大きな面積となる背景の明度設定が的確であるのは学籍番号N-2006 の作品と言えます。またこの作品は、紙風船の明度設定に関してもよく考え、実践できている作品です。 同時に、絵具や筆に慣れることも今回の課題の目的の一つです。動画の中でも指摘していますが、水の量が多くなりすぎている場面や細かな表情を描き切れていない場面があります。何度も繰り返す中で、不透明水彩絵具に慣れていきましょう。 実際の入試の「色彩」課題は、より自由度が高い課題となります。学習の流れとしては、今回のような到達目標が明確な練習課題を制作することで、色彩基礎力が身につきます。この基礎力だけでは実際の入試で高い得点を得ることはできませんが、基礎力があることで自由度の高い実戦課題で魅力的な作品を制作することができます。
担当:原田 昌典