○明暗法の理解「描線による面表現」

4、球の表現 発泡スチロール球
 球(三次曲面)の表現。球の表面のような三次曲面は、曲線群と曲線群を交差させることで表現できる。ただし、注意すべきは直面、二次曲面と違い、球面上では、本来全ての線が平行ではないということである。その点も考慮して描くことが必要である。


 ボールペンによる表現
 理論的に考えると、球はどこから見ても同じに見えるはずである。とすれば、線は、球をいろいろ回した時にも、同じ状態に見えるように描くべきである。この作品では、若干、線の角度に偏りが見られる。つまり、垂直的、水平的曲線が多いのである。
特に、光が当たっている部分は、線を少なくしているのだが、線の方向がより短調化してしまっている。このことは理解してほしい。

 鉛筆による表現
 正面上部の光が反射している部分は、明るくなっているだけに、線が目立っている。これは妥当な表現といえる。視点との距離関係からすると、球の場合、円の中心が最も視点に近いといえる。鉛筆を乗せる量が減ってしまうと、近さを表現しにくくなるので、タッチを目立たせることで、近さを表現しているのである。

 木炭による表現
 球は、立方体、円柱と比べ、調子の幅が多い。調子の細やかな変化を捉えることができれば、明暗表現だけでも表現しやすいといえる。

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